2022年(令和4年)診療報酬改定の疑義解釈 その19
- 2022年の診療報酬改定公表後、3⽉31⽇より、順次、疑義解釈が公表されています
- 疑義解釈で公表された膨⼤な情報の中から、【感染対策向上加算1、同2、同3】および【外来感染対策向上加算】に関するQ&Aよりセレクトして解説を加えていきます
- 本資料における医療機関は、「保険医療機関」となります
– Question –
感染対策向上加算1の施設基準において、「保健所及び地域の医師会と連携し、感染対策向上加算2又は同3に係る届出を行った医療機関と合同で、少なくとも年4 回程度」カンファレンスを行うこととされていますが、
- 保健所及び地域の医師会のいずれか又は両方が参加していない場合であっても、当該カンファレンスに該当しますか。
- 保健所や地域の医師会が主催するカンファレンスに参加することをもって、当該要件を満たすものとすることは可能ですか。
(問1)
– Answer –
次の通りです。
- 該当しません。ただし、やむを得ない理由により参加できなかった場合であって、参加に代えて、後日書面等によりカンファレンスの内容を共有している場合は、該当とします。
- 不可です。感染対策向上加算1の届出を行った医療機関が開催する場合にのみ当該要件に該当するものです。なお、当該カンファレンスについて、感染対策向上加算1の届出を行った医療機関が、保健所や地域の医師会と共催した場合は当該要件を満たすものとします
– Question –
感染対策向上加算1の施設基準における、「保健所及び地域の医師会と連携し、感染対策向上加算2又は同3に係る届出を行った医療機関と合同で、少なくとも年4回程度、定期的に院内感染対策に関するカンファレンス」について、具体的にどのような内容であればよいですか。
(問2)
– Answer –
カンファレンスの内容については、参加する保健所、地域の医師会、感染対策向上加算2又は同3に係る届出を行った医療機関との協議により決定して差し支えありません。なお、例えば、令和4年度地域保健総合推進事業「院内感染対策ネットワ ークと保健所の連携推進事業」による「院内感染対策等における病院と保健所の連携事例集についてー中間報告ー」(令和4年6月)(※)事例2において、以下の項目が掲げられていること等を参照してください。
- 参加医療機関の感染対策にかかる情報共有
- 参加医療機関が、感染対策で困っていることや工夫していることを発表し、意見交換しながら改善策について検討
- 参加医療機関の相互ラウンドを行い、感染対策の共有や改善について検討
(※)「院内感染対策等における病院と保健所の連携事例集についてー中間報告ー」(令和4年6月)
– Question –
感染対策向上加算1の施設基準において、「感染対策向上加算2、同加算3又は外来感染対策向上加算に係る届出を行った他の医療機関に対し、必要時に院内感染対策に関する助言を行う体制を有すること。」とされていますが、具体的にどのような体制であればよいですか。
(問3)
– Answer –
感染対策向上加算2、同加算3又は外来感染対策向上加算に係る届出を行った他の医療機関から院内感染対策に関する助言を求められた場合に助言を行うことができるよう、連絡先の共有等を行ってください。
なお、助言内容については、例えば、令和4年度地域保健総合推進事業「院内感染対策ネットワークと保健所の連携推進事業」による「院内感染対策等における病院と保健所の連携事例集についてー中間報告ー」(令和4年6月)(※)事例2、事例4、事例5に掲げられる以下の項目等を参照してください。
- 多剤耐性菌が発生した医療機関に対し、ラウンドや指導を実施
- 新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生しやすいと考えられる医療機関等への事前の臨地指導
- 新型コロナウイルス感染症のクラスターが発生した医療機関に対し、感染拡大防止に関する専門的な臨地指導、助言等を実施
- 薬剤耐性菌対策に関する臨地指導、院内研修会開催
(※)「院内感染対策等における病院と保健所の連携事例集についてー中間報告ー」(令和4年6月)
- 事例2:医療圏ごとに保健所主導で病院の感染症担当者からなる感染症ネットワーク会議を設置し、ネットワークごとに平時の活動と有事の活動に取り組んでいる事例
- 事例4: 大学主導で、ICDやCNIC等の専門医療職、保健所長等も参加し、地域の感染対策の質向上と良質の医療体制の構築に貢献している事例
- 事例5: 大学の感染制御教育センターと行政が連携し、県内全域の医療機関と連携を図り、 積極的に研修会、訓練、相談対応などへの協力・支援を展開している事例
– Question –
外来感染対策向上加算及び感染対策向上加算の施設基準において、「新興感染症の発生等を想定した訓練については少なくとも年1回以上参加していること」における当該訓練については、「疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和4年3月31日)の問27が示されましたが、他にどのようなものが考えられますか。
(問4)
– Answer –
「疑義解釈資料の送付について(その1)」(令和4年3月31日)問27で示しているとおり、新興感染症患者等を受け入れることを想定した基本的な感染症対策に係るもので(例:個人防護具の着脱の訓練)、参加医療機関の感染症対策等の状況も踏まえて決定することが望ましいです。なお、令和4年度地域保健総合推進事業「院内感染対策ネットワークと保健所の連携推進事業」による「院内感染対策等における病院と保健所の連携事例集についてー中間報告ー」(令和4年6月)(※)事例5において、対象者のレベルや役割に応じて、基本知識の習得や感染症病棟での実地訓練が実施されていることが掲げられていますので参照してください。
(※)「院内感染対策等における病院と保健所の連携事例集についてー中間報告ー」(令和4年6月)
- 事例5: 大学の感染制御教育センターと行政が連携し、県内全域の医療機関と連携を図り、 積極的に研修会、訓練、相談対応などへの協力・支援を展開している事例