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Date:
2021.10.11
Category:
GAMA blog
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歯科医療における手指衛生が極めて重要なのは何故?

英国GAMA Healthcare R&D のブログより転用
2021年9月13日投稿の記事
研究/RESEARCH

今回は、歯科医療における手指衛生の重要性、アルコールベースのハンドラブ(hand rub)とは、ハンドラブを選ぶ際どのような特徴に注目するか、ディスカッションしていきます。

■ 歯科医療において正しい手指衛生が極めて重要なのは何故か考えます

歯科医療と聞いてすぐに思い浮かぶことは、まず自身の歯の状態はどうか、そして歯を削る際に聞こえてくる歯科用ドリルの音への恐怖感、などですが、歯科医療を施す際の訓練された手指については思い浮かべることはほとんどありません。

歯科医療における手指衛生はとても大切です。口腔内で医療を施行するということは、その患者さんの体内に微生物が直接入るルートとなるため、感染のリスクが高まります。しかし、近年、特にCOVID-19パンデミック以降、多くの製品が手指衛生の標準化の改善に役立っており、そのなかのひとつがアルコールベースのハンドラブです。

■ アルコールベースのハンドラブとは?

アルコールベースのハンドラブ(Alcohol-based hand rubs : ABHR)とは、手に付着した微生物を殺滅するための液体溶液、ジェルおよびフォームとして市販されている製品群です。ABHRの有効成分は、エタノール、イソプロパノールまたはn-プロパノールで、その濃度は通常、60~95%(v/v)です。

関連研究:世界手指衛生の日:効果的な手指衛生の重要性

■ さて、ABHRを選ぶときはどのような点に着目すればよいか?

すべてのABHRが同じ、というわけではありません。60-80%のアルコールを含有するABHRが最も効果的といわれています。一方、高濃度は返って効果が減弱するとされています。効果的なABHRは、最低でもEN1500(Hygienic Disinfection)を満たしている必要があります1)。これは、汚染とABHR曝露後に指先に残っている生菌数を測定することで、ABHRの有効性を評価する欧州標準試験方法です2)

■ アプリケーション

全ABHRはディスペンサー、個別ボトル、ディスポーサブルプラスチックボトル、壁掛けシステムあるいはカートリッジシステムといくつか選択肢があり、最も適したシステムを選択すべきです。アプリケーションシステムが重要なだけでなく、ABHRを施す量も重要な役目を果たします。効果的な手指衛生を実現するためには、施されたABHRの量が手のすべての表面をカバーする必要があります。

■ 補充

すべてのABHRがディスペンサーのポンプと互換性があるわけではありません。製品が濃すぎると、ポンプが詰まったり、漏れ出やすくなったりして常に装置から滴り落ち、自分や周囲の人達が傷害するリスクが高まります。ディスペンサーを誤ったABHRで補充すると、製品の使用量が少なすぎたり、多すぎたりして、効果が減弱します

■ 有効性

最も高い有効性を得るために必要なABHRの量は、製剤ごとに異なると思われます。最適なABHRの量は、微生物を確実に除去するために手指が20~30秒間濡れた状態になるのに十分な量であることが理想的です。ただし、メーカーの説明書には、手指を十分にカバーするためのABHR必要量に関する記載があるはずです。

■ 健康と安全

優れた手指衛生技術における最も頻度の高い障壁の1つは、皮膚への刺激です。適切な製品を選ぶことで、刺激や乾燥を防ぐことができます。すべてのABHRにエモリエント剤が含まれているわけではありませんが、ABHRにエモリエント剤を加えることで、頻繁に使用する条件下での刺激性接触皮膚炎を大幅に減少させることができます

■ 互換性

ABHRは、手指衛生プロセスの1つのステップに過ぎません。ABHRは手に残った微生物を殺滅するのに適していますが、目に見える汚れを落とすには、やはり昔ながらの石鹸と水洗浄が最適です。ただし、すべての石鹸や保湿剤がABHRと互換性があるわけではないことを覚えておくことが大切です。購入前に、選択したABHR、石鹸および保湿ローションが化学的に互換性のあることを確認し、皮膚反応を最小限に抑えましょう。 ABHRは、すべての人を不必要な感染リスクから守るための素晴らしい方法であることを忘れないでください;口腔ケアがあなたやあなたの患者さんにとって重要であるように、手指衛生も同様に重要です

参考:
● World Health Organization. WHO Guidelines on Hand Hygiene in Healthcare: First Global Patient Safety Challenge Clean Care is Safer Care. Geneva: World Health Organization, 2009.
● https://vivotesting.com/information/en-1500-hygienic-handrub-method

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