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Date:
2022.02.11
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診療報酬改定2022・感染対策向上加算

代表の草場がお届けする社長ブログ「DEAR INFECTION PREVENTIONISTS」より、過去の記事を抜粋して掲載しております。

 令和4年度の診療報酬改定により、感染対策に関する大幅な改定がありました。新興感染症等に対応できる医療体制の構築が目的です。

改定のポイントを下記に列挙します。新設の加算 New! 

については施設基準(抜粋)も加えました。

1)「感染防止対策加算」の名称が、「感染対策向上加算」に改定。

2)加算も大幅に増額
  加算1:390点→710点
  加算2:90点  →175点

3)加算3を新設。 New!

 新興感染症の発生を想定し、より小規模の施設に加算(75点)。

 施設基準;

 ・一般病床数が300床以下が標準

 ・感染対策部門の設置

 ・部門内に活動するチームを設置(専任の常勤医師および専任の看護師)このうち1名を

  院内感染管理者として設置

 ・感染予防マニュアルの整備

 ・少なくとも2回/年程度の研修の実施

 ・加算1施設が主催するカンファレンスに少なくとも4回/年程度の参加

 ・抗菌薬の適正使用に関して加算1等の助言を受けること

 ・検査体制に関しても「中小病院における薬剤耐性アウトブレイク対応ガイダンス」に

  沿った対応

 ・日本病院機能評価等の第3者機関による評価を受けていることが望ましい

 ・都道府県等の要請を受けて感染患者等を受け入れる体制若しくは発熱患者の診療等

  を実施する体制を有し、そのことをホームページ等で公開

 ・発熱患者を分けるための動線の体制

 ・新興感染症等の発生時のための加算1施設との地域連携の整備など

 
4)指導強化加算を加算1に新設。 New!  

 加算1施設は、加算2・加算3施設をサポートした場合、指導強化加算としてさらに

 加算(30点)。

 施設基準;

 ・感染制御チームの専従医師又は看護師が4回/年以上、加算2、加算3を訪問して助言

5)連携強化加算を加算2・3に新設。 New! 

 加算2・加算3の施設は、加算1施設との連携を届け出た場合、連携強化加算としてさらに

 加算(30点)。

 施設基準;

 ・連携する加算1施設に対して、4回/年以上、感染の発生状況、抗菌薬の使用状況等

  について報告

6)サーベイランス強化加算を加算2・3に新設。 New! 

 加算2・加算3の施設がサーベイランスを実施し届け出た場合、サーベイランス強化加算

 としてさらに加算(5点)。

 施設基準;

 ・JANIS、J-SIPHE等の地域や全国のサーベイランスに参加していること

7)外来感染対策向上加算を新設。 New! 
 診療所においても平時からの感染対策実施や地域連携強化のため、

 加算(6点、患者/1回/月)。

 施設基準;

 ・感染対策部門の設置

 ・部門内に専任の院内感染管理者(医師 or 看護師 or 薬剤師)の配置

 ・加算1施設または地域の医師会との連携

 ・診療所であること、感染防止対策部門の設置

 ・自施設に合わせた感染予防マニュアルの整備

 ・自施設で少なくとも2回/年の研修実施、加算1施設のカンファレンスに少なくとも

  2回/年参加

 ・抗菌薬の適正使用に関して加算1等の助言を受けること

 ・検査体制に関しても「中小病院における薬剤耐性アウトブレイク対応ガイダンス」に

  沿った対応

 ・発熱外来の実施体制を有し、ホームページ等に公開すること

 ・新興感染症等の発生時のための加算1施設との地域連携の整備など

8)連携強化加算を外来感染対策向上加算施設にも加算。 New! 

 外来感染対策向上加算加算の施設が加算1施設と連携している場合、連携強化加算として

 さらに加算(3点 患者/1回/月)。

 ・加算1に対し、4回/年以上、感染症の発生状況、抗菌薬の使用状況等について報告

9)サーベイランス強化加算を外来感染対策向上加算施設にも加算。 New! 

 外来感染対策向上加算の施設がサーベイランスを実施し届け出た場合、

 サーベイランス強化加算としてさらに加算(1点 患者/1回/月)。

 ・地域において感染防止対策に資する情報を提供する体制の整備
 ・JANIS、J-SIPHE等の地域や全国のサーベイランスに参加していること

10)加算1の施設要件として、以下が追加

 ・抗菌薬適正使用のために必要な支援体制が整備されていること

 ・汚染、清潔のゾーニングができる体制を有すること

 ・都道府県等の要請を受けて感染症患者の受け入れる体制を有し、そのことを

  ホームページ等で公開

 ・他の加算1施設と連携し、少なくとも1回/年程度、感染防止対策の評価受けることなど

11)加算2の施設要件として、以下が追加

 ・汚染、清潔のゾーニングができる体制を有すること

 ・新興感染症等の対応について加算1施設とあらかじめ協議し、地域連携の体制を

  整備すること

12)歯科診療における感染防止対策のため、初診料および再診療の点数見直し

 (初診261点→264点、再診53点→56点)
 ・歯科医に対する飛沫感染防止対策等の研修の追加、標準予防策および新興感染症対策

  の研修の追加。

詳細は下記を参照下さい。

令和4年度診療報酬改定 個別改定項目について(PDF)

▶︎ 過去の DEAR INFECTION PREVENTIONISTS 」の記事はこちらから

草場恒樹 Tsuneki Kusaba

代表取締役社長

名古屋市生まれ。東京農業大学農学部農業拓殖学科卒。
大学3年時に休学し、カナダ・アルバータ州で1年間カウボーイ修行。牛の人工授精師資格も持ってたりします。
帰国後大学に戻り、商社に入社、約7年間海外製品のマーケティングを担当。
1993年商社を退社し、同年モレーンコーポレーション設立。

北里大学看護キャリア開発・研究センター感染管理認定看護師教育課程  非常勤講師
JICA国際緊急援助隊 感染対策チーム隊員