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Date:
2024.05.20
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2024年(令和6年)度診療報酬改定の疑義解釈 その1(医科)

  • 2024年(令和6年)度の診療報酬改定公表後、3⽉28⽇より、順次、疑義解釈が公表されています
  • 疑義解釈で公表された多くの情報の中から、医科関連感染対策分野に関するQ&Aよりセレクトしてご紹介いたします
  • 本資料における医療機関は、「保険医療機関」となります

– Question –

「A000」初診料の注11ただし書及び「A001」再診料の注15ただし書に規定する発熱患者等対応加算について、当該保険医療機関において既に外来感染対策向上加算を算定している患者であって、発熱患者等対応加算を算定していないものが、同月に発熱その他感染症を疑わせるような症状で受診した場合について、どのように考えればよいでしょうか。

(問4)

– Answer –

外来感染対策向上加算は算定できませんが、要件を満たせば発熱患者等対応加算は算定できます。

【参考】医科診療報酬点数 
「A000」初診料、「A001」再診料

初診料 注11は下記の通り記載されています。

注11 組織的な感染防止対策につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関(診療所に限る。)において初診を行った場合は、外来感染対策向上加算として、月1回に限り6点を所定点数に加算する。ただし、発熱その他感染症を疑わせるような症状を呈する患者に対して適切な感染防止対策を講じた上で初診を行った場合は、発熱患者等対応加算として、月1回に限り20点を更に所定点数に加算する。

再診料 注15は下記の通り記載されています。

注15 組織的な感染防止対策につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関(診療所に限る。)において再診を行った場合は、外来感染対策向上加算として、月1回に限り6点を所定点数に加算する。ただし、発熱その他感染症を疑わせるような症状を呈する患者に対して適切な感染防止対策を講じた上で再診を行った場合については、発熱患者等対応加算として、月1回に限り20点を更に所定点数に加算する。


– Question –

「A000」初診料の注14、「A001」再診料の注18及び「A234-2」感染対策向上加算の注5に規定する抗菌薬適正使用体制加算の施設基準における「抗菌薬の使用状況のモニタリングが可能なサーベイランスに参加していること。」は具体的には何を指していますか。

(問5)

– Answer –

初診料の注14及び再診料の注18に規定する抗菌薬適正使用体制加算の施設基準においては、診療所版感染対策連携共通プラットフォーム(以下 「診療所版J-SIPHE」という。)に参加し抗菌薬の使用状況に関するデータを提出すること、感染対策向上加算の注5に規定する抗菌薬適正使用体制加算の施設基準においては、感染対策連携共通プラットフォーム(以下「J-SIPHE」という。)に参加し抗菌薬の使用状況に関するデータを提出することを指します。


– Question –

「A000」初診料の注14及び「A001」再診料の注18に規定する抗菌薬適正使用体制加算の施設基準における「直近6か月における使用する抗菌薬のうち、Access抗菌薬に分類されるものの使用比率が60%以上又は(2)のサーベイランスに参加する診療所全体の上位30%以内であること。」、「A234-2」感染対策向上加算の注5に規定する抗菌薬適正使用体制加算の施設基準における「直近6か月における入院中の患者以外の患者に使用する抗菌薬のうち、Access抗菌薬に分類されるものの使用比率が60%以上又は(1)のサーベイランスに参加する病院又は有床診療所全体の上位30%以内であること。」について、どのように確認すればよいですか。

(問6)

– Answer –

J-SIPHE及び診療所版J-SIPHEにおいて、四半期ごとに抗菌薬の使用状況に関するデータの提出を受け付け、対象となる期間において使用した抗菌薬のうちAccess抗菌薬の割合及び参加医療機関全体におけるパーセンタイル順位が返却されるため、その結果(初診料等における抗菌薬適正使用体制加算については診療所版J-SIPHEにおける結果、 感染対策向上加算における抗菌薬適正使用体制加算についてはJ-SIPHEにおける結果をそれぞれ指す。)が施設基準を満たす場合に、当該結果の証明書を添付の上届出を行うことになります。なお、使用した抗菌薬のうちAccess抗菌薬の割合及び参加医療機関全体におけるパーセンタイル順位については、提出データの対象期間における抗菌薬の処方件数が30件以上ある場合に集計対象となります。

J-SIPHE及び診療所版J-SIPHEにおけるデータ受付時期等

※ データ提出方法及びデータ受付時期並びに結果の返却時期の詳細については、J-SIPHE及び診療所版J-SIPHEのホームページを確認してください。
・J-SIPHE (https://j-siphe.ncgm.go.jp/)
・診療所版J-SIPHE (https://oascis.ncgm.go.jp/)

【参考】医科診療報酬点数 「A000」初診料、
「A001」再診料、「A234-2」 感染対策向上加算

初診料 注14は下記の通り記載されています。

注14 注11本文に該当する場合であって、抗菌薬の使用状況につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において初診を行った場合は、抗菌薬適正使用体制加算として、月に1回に限り5点を更に所定点数に加算する。

再診料 注18は下記の通り記載されています。

注18 注15本文に該当する場合であって、抗菌薬の使用状況につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において再診を行った場合は、抗菌薬適正使用体制加算として、月に1回に限り5点を更に所定点数に加算する。

感染対策向上加算 注5は下記の通り記載されています。

注5 感染対策向上加算を算定する場合について、抗菌薬の使用状況につき別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関に入院している患者については、抗菌薬適正使用体制加算として、 5点を更に所定点数に加算する。

【参考】抗菌薬使用に関するサーベイランス

日本における抗菌薬使用に関するサーベイランスは、主には次の事業になります。

・JANIS(ジャニス) 厚生労働省院内感染対策サーベイランス事業

https://janis.mhlw.go.jp/index.asp

・J-SIPHE(ジェイサイフ) 感染対策連携共通プラットフォームおよび診療所版J-SIPHE

https://j-siphe.ncgm.go.jp/

https://oascis.ncgm.go.jp/

これらは全国レベルのサーベイランスとなりますが、市区町村以上の地域単位の規模で、JANISの検査部門と同等のサーベイランスが実施されている、あるいはJ-SIPHEを用いてサーベイランスを行っている場合は、その内容がわかる資料を添えて当局に内議することで施設基準の対象となる場合があります。


– Question –

問6により施設基準を満たすことを確認した上で届出を行った場合について、届出後の施設基準の適合性について、どのように考えればよいですか。

(問7)

– Answer –

施設基準の届出を行った場合には、届出後についてもJ-SIPHE又は診療所版J-SIPHEに少なくとも6か月に1回はデータを提出した上で直近に提出したデータの対象期間における施設基準の適合性の確認を行い、満たしていなかった場合には変更の届出を行うこと、とされています。