2024年(令和6年)度診療報酬改定の疑義解釈 その3(医科)
- 2024年(令和6年)度の診療報酬改定公表後、順次、疑義解釈が公表されています
- 2024年4月26日事務連絡の「疑義解釈資料(その3)」の中から、医科関連感染対策分野に関するQ&Aよりセレクトしてご紹介いたします
- 本資料における医療機関は、「保険医療機関」となります
– Question –
「A000」初診料の注14及び「A001」再診料の注18に規定する抗菌薬適正使用体制加算の施設基準において「直近6か月における使用する抗菌薬のうち、Access抗菌薬に分類されるものの使用比率が60%以上又は(2)のサーベイランスに参加する診療所全体の上位30%以内であること。」とされ、「A234-2」感染対策向上加算の注5に規定する抗菌薬適正使用体制加算の施設基準において「直近6か月における入院中の患者以外の患者に使用する抗菌薬のうち、Access抗菌薬に分類されるものの使用比率が60%以上又は(1)のサーベイランスに参加する病院又は有床診療所全体の上位30%以内であること。」とされていますが、Access抗菌薬に分類されるものの使用比率は、具体的にはどのように計算されるのでしょうか。
(問2)
– Answer –
各抗菌薬のAccess抗菌薬への該当性(AWaRe分類における位置づけ)並びにAccess抗菌薬に分類されるものの使用比率に係るJ-SIPHE及び診療所版J-SIPHEにおける計算方法については、J-SIPHE及び診療所版J-SIPHEのホームページを確認してください。
【参考】 AWaRe分類
- 「AWaRe分類」は、WHOが2017年に必須医薬品リスト(EML第20版)を基に抗菌薬をAccess、Watch、Reserveの3グループに分けたものです。
- WHOは抗菌薬使用全体のうちAccessの割合を60%以上にすることを目標として掲げています。
- Access:第1選択および第2選択薬の抗菌薬
- Watch:医療において重要であり、かつその使用により耐性菌が選択されるリスクが比較的高いため、 第1選択および第2選択薬としての使用が制限すべき抗菌薬
- Reserve:最後の手段として使用する抗菌薬
- 参考:
中医協 総-35. 12. 6. 感染症について(その2)
(添付資料の67−68枚目に関連する記載があります)
【参考】 Access抗菌薬に分類されるものの使用比率の計算方法について
- Access抗菌薬の使用比率および他医療機関と比較した順位については、J-SIPHEおよび診療所版J-SIPHEそれぞれにデータを提出・登録することで確認できるようになります。
- J-SIPHE :外来EF(診療明細情報/行為明細情報)統合ファイルから抗菌薬情報を抽出するアプリケーションを用いて出力したファイルを読み込ませることで、登録されます。
- 参考:J-SIPHE参加施設マニュアル
- 診療所版J-SIPHE:レセプトチェック用UKEファイルをレセプト匿名化ツールを使用して個人情報を削除し、アップロードすることで登録することができます。
- 参考:診療所版J-SIPHEOASCIS操作マニュアル