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Date:
2023.02.27
Category:
GAMA blog
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新型コロナウイルスの最新変異株「XBB.1.5」は脅威となるのか?

英国GAMA Healthcare R&D のブログより転用
2023年1月23日の記事
研究/RESEACH

オミクロン株の新たな変異株(XBB.1.5)は、これまでの変異株よりも感染力が強いのか、また類似の呼吸器ウイルスの伝播をいかに防ぐか、これらが今回のディスカッションです。

■ オミクロン変異株が最初に出現したのはいつでしたか?

2021年12月頃に起きた新型コロナウイルスのオミクロン変異体出現は、新型コロナウイルス感染症パンデミックのゲームチェンジャーでした。本株はそれまでの変異体よりも伝播性が高く、より広範な感染の広がりをもたらしましたが、病原性は低く、そのため入院および死亡のリスクはより低くなりました。

関連記事:オミクロン株:なぜこのような混乱を招いているのか?

このことはワクチン接種の普及と相まって、世界各国の政府が新型コロナウイルス感染症予防策を発表することが可能となり、私たちのほとんどがパンデミック発生前の「ノーマル」な生活に近い状態に戻りつつあります。

■ オミクロンの新変異株は懸念の原因となるでしょうか?

一方、「XBB.1.5」と名称された新しいオミクロン変異株が確認されています。この変異株、私たちを再び、ロックダウン、大規模な検査、経済の崩壊という方向に引き戻すかもしれない懸念の原因となるのでしょうか? その答えはきっぱり「いいえ」です。

オミクロン株は2021年後半に大規模伝播して以来、いくつかの異なる系統に細分化されてきました。最も広く知られたオミクロン株のサブタイプは「BQ1」です。しかし、現在は新たに出現した変異株のタイプ「XBB.1.5」に置き換わりつつあります。英国保健安全保障局(UKHSA:UK Health Security Agency)によるリスク評価の結果、XBB.1.5は「懸念されるバリアント」(すなわちVOC : Variant of Concern)に指定はされていません。これは、英国全体の新型コロナウイルス感染症の状況やリスクプロファイルを変化させる恐れがないことを意味しています。

関連記事:英国で検出された新型コロナウイルス変異株に関する最新情報

■ 変異株XBB.1.5の感染性は?

初期の徴候から、XBB.1.5は実際BQ1よりも伝播性が高く、BQ1に代わって優勢なオミクロン変異株サブタイプとなる可能性が伺えます。しかし、BQ1よりも病原性が強いということはなさそうであり(病原性が弱まる可能性が高い)、過去の変異株による自然感染やワクチン接種によって生じた免疫レベルにXBB.1.5が対抗してくることは考えにくいです。

XBB1.5の拡散を防ぐために、ロックダウンや更なる大規模検査などこれまで広く行われてきたワクチン接種以外の予防介入に再び“ロールバック”することになるのでしょうか? 状況はまだ明らかになっておらず、不確実性はあるものの、このようなことはかなり考えにくい状況です。病原性が増し、容易に拡散・伝播する能力を併せ持った驚くべき新規脅威の出現を除いて、そのような介入に戻る可能性は低いでしょう。

異なる変異株が現われそして消えていく可能性は高いように思われます、しかしながら個々の変異株に対する監視や精査ではなく、インフルエンザなど他の呼吸器ウイルスに対して現在行なっているような全体的な状況によりフォーカスを当てていくことになるでしょう。

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ウイルスの拡散を防ぐためには?

呼吸器ウイルスの伝播を予防する最良の方法は、ワクチン接種に適切な基本的予防対策(すなわち、換気、レスピレーター・マスク装着、環境表面管理および手指衛生)を組み合わせることであることは、紛れもなく明白であります。

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Dr. Phillip Norville

Clinical & Scientific Director, GAMA Healthcare

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