英国内の病院におけるSARS-CoV-2感染の軽減に対するクリネルユニバーサルのインパクト
英国GAMA Healthcare R&D のブログより転用
2021年3月19日投稿の記事
研究/RESEARCH
PHE(Public Health England /英国公衆衛生局)は最近、英国での表面と空気中からのSARS-CoV-2伝播に関する多施設研究を発表しました。
■ 研究はどこで行われたか?
本研究は、COVID-19パンデミックの第一波の間に、英国内の8つの病院で行われました。
■ サンプリング:
個室や病室での、SARS-CoV-2感染が判明している患者さんの周辺から、表面と空気のサンプリングが行われました。いくつかの共有臨床領域(例えばナースステーション)およびSARS-CoV-2感染した患者さんがいなかった病室もサンプリングされました。SARS-CoV-2の表面と空気のサンプリングは、PCRおよびウイルス培養によって行われました。表面の細菌サンプリングが並行して行われました。
■ 研究の結果は?
SARS-CoV-2 RNAは、サンプリングされた336の表面のうち30(8.9%)で検出され、空気のサンプリングでは55のうち4(7.3%)から検出されました。サンプルから生存ウイルスは培養されず、そのほとんどはPCRによって低レベルで検出されました。
しかしながら、SARS-CoV-2を培養するために現在利用可能な方法が、生きているウイルスは存在するが、それを実験室では培養できないことを意味するかどうかは明らかではありません。
表面培養からの平均好気性コロニー数はcm2当たり1cfuでした。これは非常に低レベルの汚染であり、急性期の医療現場で予想される値よりも低いものです。実際、これは、医療現場で提唱されている 2.5 cfu/cm2 未満の清浄度基準よりもかなり低い値と考えられます。
すなわち、このことはパンデミックを管理するために実施され、強化されている洗浄と除菌が効果を示していることを示唆しているといえます。
■ 結論:
この研究結果は、他の研究と一致していて、SARS-CoV-2が表面や空気中で検出可能であるが、培養できるレベルではないことを示唆しています。このことは、汚染のレベルは低いことを示唆していますが、伝播のリスクをもたらす可能性はあるため、最高レベルの環境衛生の必要性を強調しています。
■ いくつの病院がクリネルユニバーサル製品を使用していたか?
8つの病院のうち7病院は、通常の洗浄と除菌のためにクリネルユニバーサルワイプを使用し、退院時の最終除菌(清掃)には塩素ベースの除菌剤も使用していました。
他の研究において、クリネルユニバーサルワイプへの切り替えは、全体的な汚染レベルを低減し、それ故病院での伝播リスクを減らすための良い方法であることを示しています。
加えて、2-in-1 ワイプ(洗浄剤と除菌剤の両方を含むワイプ)への切り替えはまた、時間を節約し、運用上の利点をもたらすと、別の研究は示しています。
■ クリネルユニバーサルはどのような役割を果たしたか?
全体として、336表面の8.9%と55の空気サンプルの7%がPCRによってSARS-CoV-2 RNAが同定されましたが、生存ウイルスはいずれの表面からも培養されませんでした。なぜかというと・・・・・・
■ 8つの病院のうち7病院が、通常の洗浄と除菌のためにクリネルユニバーサルワイプを使用していました。
研究中に同定された細菌汚染のレベルは低く、PHEが推奨する除菌の強化が効果を示していることが記されました。
*本記事で紹介しているPHE多施設研究の原著論文
Detection of SARS-CoV-2 within the healthcare environment: a multi-centre study conducted during the first wave of the COVID-19 outbreak in England : G Moore, et al , J Hosp Infect. 2021 Feb; 108: 189–196.