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Date:
2022.11.14
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消毒用ワイプ:間違った質問をしていませんか?

英国GAMA Healthcare R&D のブログより転用
2022年7月28日の記事
RESEARCH/研究

メーカーの広告は、必ずしも実際の使用状況を反映しているとは限りません。しかし、効果的でない表面消毒は患者さんを危険にさらし、NHSの医療関連感染に費やされる費用、27億ポンドの一因となっています。私たちは、ヘルスケアに効果的な消毒製品を選択する際の質問について検討しています。

メーカーは、実験室でのテストに基づき、実際の使用状況を反映していない広告をしている可能性があります。正しい質問をしないと、実際の現場では効果のない製品を使うことになり、患者さんを危険にさらし、医療機関に余分な時間とコストをかけることになりかねません。

■ 医療関連感染
-NHSのコストは年間27億ポンド
-英国における患者さんの死亡者数28,500人
-79,700人の医療従事者の欠勤

イングランドの国民医療サービスにおける医療関連感染の年間コストを示す統計。Guest JF, Keating T, Gould D, Wigglesworth N. Modelling the annual NHS costs and outcomes attributable to healthcare-associated infections in England(イングランドにおける医療関連感染に起因する年間NHSコストと転帰のモデル化)。BMJOpen. 2020;10:e033367.

表面消毒はエビデンスに基づく実践です。環境清掃の改善は、患者さんの感染を防ぐための最も費用対効果の高い方法の一つです[1]医療機関が消毒剤メーカーに質問するべき重要な質問がいくつかあります。

Peter Hoffman 氏やRoyal College of Nursing などの業界リーダーが、医療機関が表面消毒剤を評価する際に用いるべき基準について投稿しています。

Peter Hoffman:英国公衆衛生のコンサルタント臨床科学者であり、多くの政府機関や専門機関と協力してガイドラインと基準を策定している。
Royal College of Nursing:英国で看護の専門家のために登録された労働組合。

■ 1.ワイプのテスト、またはワイプに含まれる液体のテストを行いましたか?

ワイプの基材(ワイプの素材)は、消毒剤の有効成分を吸収します。このプロセス(「吸着」と呼ばれる)は、いくつかの有効性データを無効にしてしまいます。

消毒剤メーカーが有効性試験のために純粋な液体製剤を使用する場合、その製品はより効果的に見えます。

しかし、現場で使用する時には、有効成分がワイプに閉じ込められたままなので、表面に届けられる有効な消毒剤の濃度はずっと低くなってしまいます。そのため、微生物が生き残ることができるのです。

GAMA社のアプローチ:クリネルユニバーサルワイプ製品はすべて、ワイプから抽出した液体(溶出液)を使ってテストされています。これは、有効性テストが実際の使用状況を反映していることを意味します。

「この製品の有効性試験は、ワイプから抽出された液体を用いて行われていますか?」

■ 2. 臨床的に関連性のある試験微生物に対して試験を行いましたか?

英国およびEUの規制では、殺生物効能を表示するために必要な最小限の試験生物を指定しています。例えば、表面殺菌剤で「99.999%の細菌を殺す」という包括的な効能表示をするためには、3種の細菌(S. aureus, E. hirae and P. aeruginosa)に対してのみ有効性試験を行うことが要求されています。

これらの最小限の試験微生物は、臨床的に関連する多くの病原体やMDROを除外しており、それにはCandida auris、Acinetobacter baumannii、CPEなどが含まれます。

MDRO(multidrug- resistant organisms):多剤耐性病原体

「この製品はどのような臨床関連病原体に対して試験されていますか?」
「Candida auris、CPE、VRE、に対するテストはされていますか?」

■ 3. コンタクトタイムは現実的か?

消毒剤は即効性がありません。効果を発揮するためには、微生物と接触する時間(コンタクトタイム)が必要です。テストされたすべての微生物は、それぞれに必要なコンタクトタイムがあります。

液体消毒ワイプ(含浸タイプの製剤を含む) は、濡れているときのみ有効です。コンタクトタイムに達する前に表面の液体が乾いてしまうと、消毒効果はありません。

残念ながら、多くの標準的な有効性テストでは、コンタクトタイムが5分(最大60分)です。これは現実的ではありません。

GAMA社のアプローチ:GAMA社は、現実的なコンタクトタイム内で有効性テストを実施しています。

「各微生物に対する指定のコンタクトタイムは?それは現実的ですか?」

■ 4. 汚染された状態でテストしましたか?

消毒剤メーカーは、清潔な状態でテストを行うことで、有効性データを操作することができます。

有機物は消毒剤を不活性化する可能性があります。このため、塩素系やアルコール系の消毒剤には前洗浄の工程が必要です。

清潔な状態でテストされた消毒剤は、コンタクトタイムが短いほど効果が高いように見えます。しかし、これは2 in 1 洗浄消毒用ワイプの実際の使用状況を反映したものではありません。

2 in 1 洗浄消毒用ワイプは、常に汚れた状態でテストする必要があります。これらの製品は、一拭きで表面の汚れを落とし、消毒することが期待されています。汚染された状態で使えないのであれば、実際の使用で効果を発揮することはないでしょう。

GAMA社のアプローチ:GAMA社の有効性テストは、EUと英国政府が定めた標準的なテスト方法に従い、大学や認定された研究所、汚染された環境下で実施しています。すべての結果は検証済みです。

「このテストは清潔な環境で行われましたか、それとも汚染された環境で行われましたか?」
「このテストはどこで行われましたか?試験室はこの試験を実施するための認定を受けていますか?」

■ 5. 公表されたエビデンスに裏付けられているか?

試験室ベースの有効性テストは重要な考察を提供しますが、効果的な製品は、実臨床での査読付き研究によって裏付けされるべきです。

GAMA社のアプローチ:クリネルユニバーサルワイプ は、MRSA の捕捉[2]、環境中の多剤耐性菌の減少[3]、スタッフの時間短縮[4]が証明されています。

「この製品の有効性を検証した、実臨床の査読付き試験はありますか?」

■ 6. 表面に対する材料の適合性を考慮しましたか?

配合の悪い消毒剤は、表面にダメージを与えることがあります。特定の状況下では、消毒を繰り返すと、医療機器の早期故障の原因となることがあります。

GAMA社のアプローチ:材料科学チームは、クリネル製品と、プラスチック、金属、ゴムなど医療現場で最も一般的な表面材との間で、広範な表面適合性試験を実施しています。

また、医療機器メーカーと連携し、適合性試験を実施しています。Becton, Dickinson and Company(BD)GE Healthcare、Agile medical、Philips、Welch Allyn などの製品を含む、 100以上の医療機器の認証を取得しています。

「表面材適合性試験を行ったことがありますか?そのデータの結果を教えてください。」
「医療機器メーカーからどのような認証を得ていますか?」

■ 7. 製造品質と規制遵守についてはどうでしょうか?

病院では、患者さんや来院者、職員を保護するために、毎日何千枚もの消毒ワイプを使用することがあります。各ワイプは、効果があり、汚染がないことが必要です。

医療機器に使用する場合は、CEマークを取得し、クラスIIaの医療機器として登録される必要があります。

GAMA社のアプローチ:認定されたサプライヤーと協力し、すべての製造施設において頻繁に品質保証のための監査を実施しています。また、高度なろ過技術により、消毒液、ワイプの基材、包装材に含まれるバイオバーデンを除去しています。

「この製品はCEマーク*の付いた医療機器ですか?どのような品質・衛生管理をしていますか?」

CEマーク:製品をEU加盟国へ輸出する際に、安全基準条件(使用者・消費者の健康と安全および共通利益の確保を守るための条件)を:満たすことを証明するマーク

バイオバーデン:滅菌前に、表面(または完備品)上、機器内部、または液体の一部からの微生物が存在すること

■ 8. トレーニング、導入、サポートはどのように行っていますか?

優れた製品は、優れた実践に支えられて初めて効果を発揮します。

環境汚染除去のトレーニングでスタッフをサポートすれば、MRSA[2]やVRE[5]などの病原体の拡散を抑え、スタッフの清掃時間[4]を短縮することができます。

実施と継続的なサポートは、日々の臨床実践に大きな影響を与えます。

GAMA社のアプローチ:GAMA社は製品を理解してもらい、有効に活用してもらうための支援に長けています。私たちは、クリニカルエデュケーターによる対面式トレーニング、e-ラーニング、特注の啓発資料と説明ポスター、強力な監査ツールなど、市場をリードする継続的なサポートを提供します。

■ 今年の実績

8,409 人の NHS スタッフがトレーニングを受けました。

IPC 看護師トレーナーおよび臨床教育担当者

クリネルユニバーサルワイプまたはクリネルスポリサイダルワイプのエビデンスについてもっと知りたい方は、モレーンコーポレーションまでお問い合わせください。

Dr. Phillip Norville
Clinical & Scientific Director, GAMA Healthcare

[1]White NM, Barnett AG, Hall L, et al. Cost-effectiveness of an environmental cleaning bundle for reducing healthcare-associated infections. Clinical Infectious Diseases. 2020;70(12):2461-2468. doi:10.1093/cid/ciz717

[2]Garvey MI, Wilkinson MAC, Bradley CW, Holden KL, Holden E. Wiping out MRSA: Effect of introducing a universal disinfection wipe in a large UK teaching hospital. Antimicrobial Resistance and Infection Control. 2018;7(1). doi:10.1186/s13756-018-0445-7

[3]Chang F, Lin C, Lee C. A comparison of 1000ppm Chlorine and single-use detergent/disinfectant wipes for decontamination of a clinical environment contaminated with Vancomycin-resistant Enterococci. Journal of Infection Prevention. 2017;18(1S):S14.

[4]Shepherd E, Leitch A, Curran E. A quality improvement project to standardise decontamination procedures in a single NHS board in Scotland. Journal of Infection Prevention. 2020;21(6):241-246. doi:10.1177/1757177420947477.

[5]Mitchell BG, Hall L, White N, et al. An environmental cleaning bundle and health-care-associated infections in hospitals (REACH): a multicentre, randomised trial. The Lancet Infectious Diseases. 2019;19(4):410-418. doi:10.1016/S1473-3099(18)30714-X

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